subscribe to the RSS Feed

Wednesday, June 28, 2017

為替レートを動かす要因(変動相場制)

ジョージ・ソロス変動相場制とは、外国為替市場における外貨の需要と供給の関係に任せて為替レートを自由に決める制度のことです。円がたくさん買われれば円高になり、ドルがたくさん売られればドル安となります。

変動相場制が採用された当初は、変動相場制は自動調整メカニズムを持つと思われていました。

たとえば、日本は輸出で稼いだドルを国内で使うために円に換える必要があります。ドル売り円買いです。すると円は買われて高くなりドルは売られて安くなるので円高ドル安となります。円高になれば輸出に不利となり、貿易黒字は抑制される・・・といった具合です。

しかしアメリカは現在でも貿易赤字国であり、日本は貿易黒字国のままです。この原因に関してはさまざまな説がありますが、未だに議論のさなかにあり、理由はこれだという風にはっきりしていないようです。

※ちなみに貿易黒字が国家にとってよいもの、赤字が悪いものという単純な話でもありませんので注意が必要です。

為替レートを動かす要因については以下の説が有力です。

購買力平価説

この説が最も標準的だといわれています。「為替レートは、最終的には外国通貨と自国通貨の間の購買力の差で決まる」という考え方です。

たとえば、アメリカではボールペン一本2ドル、日本では100円だとします。このとき2ドルと100円は同等の価値、つまり為替レートは1ドル50円になるように動き、均衡する・・・という考え方です。

「財やサービスは自由に取引が行われる市場では同一商品に同じ価格が付く」という一物一価の法則のもとに成り立っています。

ファンダメンタルズ論

ファンダメンタルとは基礎的事項という意味です。マクロ経済において雇用・生産・物価などの基本的な事柄を指します。

「各国のGDP成長率や失業率、インフレ率を比較してそれらが良好な国の通貨は買われ、不調な通貨は売られる。国家の経済の総合力で為替レートが決まる」・・・という考え方です。

需給バランス論

通貨の需給を重視する考え方です。通貨の需要と供給で大きく為替が変動すると考えます。

アセット・アプローチ

金利の差と安全性が資金(資産としての通貨)の移動を促すという考え方です。

お金は金利の低いところから高いところに流れます。日本が金利を上げて日米の金利差が縮めば円は積極的に買われるようになり、ドルは売られるようになります。

また、軍事的な緊張関係が高まればドルが買われてきたという背景も手伝って、通貨は安全性で買われるという説です。(「有事のドル買い」などといわれました。)

しかし、テロの時代となりつつある昨今では、リスクが高まると逆にドルが売られるという現象が起きているようです。

ソロスの再帰性理論

ジョージ・ソロスはヘッジファンドのリーダーで、デリバティブを駆使して空前の利益を生み出し続けた史上最強の相場師です。彼の理論は難解です。

再帰性とは繰り返し当てはめることのできる性質のことです。たとえば、絵を描く人がいて、その人をさらに描く人がいて、さらにその人を描く人が・・・といったようなことです。

ソロスいわく、「市場は予測者が予測する事象に影響を及ぼします。つまり予測者が予測するという行動そのものが市場に影響を与える。そして、市場は一方向へのバイアス(偏り)を持っているため、いったん一方向へ流れ始めればいずれ雪崩のように動き出す。」

ソロスは自らのこの考え方を基に、ポンドをはじめさまざまな国の通貨を暴騰・暴落させました。ソロスをはじめとする莫大な利益を上げ続けたヘッジファンドは、市場は何者にもコントロールできないというそれまでの経済学の定説を改めさせました。

home | top