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Wednesday, June 28, 2017

自由貿易と比較優位

比較優位国ごとに自然条件の違いや生産技術の発達レベルの違いがあり、あらゆる財の生産においてそれぞれ得意・不得意があります。

わたしたちは必要に応じて商品や労働力、資本などを国をまたいで移動させることで、国家の経済を発展させることができます。

商品が国をまたいで交換されることを特に貿易と呼びます。

自由貿易

関税など、国家の介入や干渉を受けずに自由に行われる貿易を、自由貿易といいます。重商主義下の保護貿易に対してアダム・スミスなどにより唱えられたのが最初です。

現在では、WTO(世界貿易機関)が貿易による取引のルールを定めており、より自由貿易に近い状態になるよう努力がなされています。

比較優位

比較優位とは自国の得意な財の生産に特化し、自由貿易をすれば自国も貿易相手国もお互いさらに多くの財を消費できる(得する)というものです。

自由貿易下の国際分業はお互いに利益を生むという理論であり、経済学者デビッド・リカードが提唱した理論です。比較生産費説とも言います。

比較優位に関してはアインシュタインと秘書の例がよく使われます。

アインシュタインは研究の他にタイピングなどの秘書業務も有能にこなせるとします。しかし、アインシュタインに秘書業務に専念させようと思う人はいないでしょう。雇った秘書に秘書業務を全部させて、アインシュタインは研究に専念させるべきと誰しもが考えるはずです。

同様に、仮にアインシュタインが誰よりも速く美しく掃除をこなせたとしても、掃除夫を雇った方がよいはずです。

このときアインシュタインは秘書と掃除夫に対して絶対優位にあるといいます。掃除夫は掃除がもっとも得意なら清掃業務において比較優位を持ち、秘書は秘書業務のスキルしか持っていなければ秘書業務において比較優位を持ちます。

このように、国家も自国が比較優位を持つ財の生産に特化すれば、貿易国間での生産力は総合的に増すことになります。これを国際分業といいます。

比較優位の欠点

比較優位の欠点として、それぞれの国が得意な業種ばかりに特化すれば富が特定の国家に偏在してしまうことがあげられます。

国家単位で格差が生じてしまうのです。工業製品の生産が苦手な国は、いつまで経っても工業後進国のまま技術革新が進みません。また、農産物の生産は気候などの影響をもろに受けてしまうため、特定の農産物に特化している国は常に大きなリスクを抱えるはめになります。

国家の状況によっては、自国内の産業育成・保護のために、保護貿易(関税など国家の規制)が望ましいケースもあります。

世界はWTOを通じて自由貿易の方向に向かっていっていますが、単純に保護貿易が悪で自由貿易が善という風に片付けられる問題でもありませんので注意が必要です。

参考文献-初歩の経済学

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