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Monday, April 24, 2017

需要と供給と価格の関係

需要と供給が価格によってどう変わっていくのか簡単なグラフを使って分析します。基本的な考え方はとてもシンプルです。

  • 需要・・・価格が下がれば消費者の購入意欲が上がる。価格が下がれば需要増加。
  • 供給・・・価格が上がれば企業は生産量を増やそうとします。価格が上がれば供給増加。

価格を縦軸、数量を横軸にすると需要と価格の関係は以下のようになります。安くなれば数量(需要)が増えるということを表しただけです。

需要曲線

同様に、供給曲線も追加してみます。価格が上がるほど多く売りたいという動きを示しますから以下のようになります。

供給曲線

需要曲線と供給曲線の交わる点で需要量と供給量が一致し、価格が定まります。

この交点での価格は均衡価格、取引量(数量)は均衡取引量と呼ばれます。

需給曲線

たとえば所得税の増税などが起きると、需要は減少します。このとき、需要曲線が左方にシフトします。均衡点はE→E2へ。財の取引量も価格も下がり、これは経済効率が悪くなることを意味します。

需要曲線のシフト

逆に減税などの措置がなされれば、需要曲線は右方にシフトしし、均衡点はE3になります。(曲線は省略)

これと同様に、新たな技術革新などが起き、同コストでそれまでより多くの財が生産できるようになると、供給曲線が右方にシフトします。このとき均衡点はE4となり、低価格のものがたくさん売れるという状況になります。

環境問題など法規制で生産活動が縮小すれば、供給曲線は左方にシフトし、均衡点はE5になります。(曲線は省略)

供給曲線のシフト

価格の下方硬直性

ケインズ政策のページでも解説していますが、価格が一定の位置より下がらないことがあります。労働者の賃金がいい例です。

市場において価格は需給を反映して上下するはずなのですが、なんらかの要因によって本来下がるべき価格が下がらないことがあり、物価上昇の一要因とされています。

需要の価格弾力性

価格が変動したことで、どれくらい需要が変化するのかその度合いのことを、価格弾力性といいます。

たとえばニンテンドーDSなどの嗜好品は価格弾力性が高めだと思われます。買おうか迷っている人は、安くなれば買いに走ります。価格弾力性が高いと曲線は緩やかになります。価格に対しての数量の変動幅が大きいことを意味します。

価格弾力性高い

逆に生活必需品など、状況がどう変わっても必要量がそれほど変わらないものは、価格弾力性が低いといえます。安くなったところでたくさんはいらないし、高くなったとしても買わないことにはやっていけないからです。グラフにすると以下のような感じです。価格の変化による需要量の変動幅が小さいため以下のような急勾配の曲線となります。

価格弾力性低い

インフレ、デフレ

インフレとデフレ財やサービスの価格は日々変動し、それは全体的な価格指標である”物価”も変化するということを意味します。物価が上がる・下がると表現する時、それは特定の財・サービスの価格ではなく、財・サービスの値段が全体的に上下すること指します。

物価が上昇することをインフレ(インフレーション)、物価が下がることをデフレ(デフレーション)といいます。物価が上がるということは貨幣の価値が下がるということであり、逆に物価が下がることは貨幣の価値が上がるということです。

  • インフレ・・・物価が上がる。貨幣価値が下がる。
  • デフレ・・・物価が下がる。貨幣価値が上がる。

物価には卸売物価指数(WPI)、消費者物価指数(CPI)、GDPデフレータなどの価格指数があり、これらの数値は代表的なモノ・サービスの値段を集計することで算出されます。

インフレ

インフレの要因のひとつとして、賃金上昇が挙げられます。賃金が単純に上がると(残業によって増えたなどではなく、単に同じ労働力で賃金だけ上がる場合)、消費は増加します。そうなると需給のページでも説明したとおり価格が上がる、つまり物価が上がります。

実際はほとんどの場合、インフレを追いかけるように賃金が上昇していく形となります。

賃金は物価の上昇に伴って上昇しますが、物価上昇のタイミングとズレ(遅れ)があり、実質的な賃金が一時的に下がる形になります。

実質賃金が下がれば雇用は増やすインセンティブが増し、失業率は低下します。(この事実はフィリップス曲線が証明しています。)インフレ率が高いと失業が減り、インフレを抑制すると失業が増えるというわけです。ただし高率のインフレはあらゆるリスクを抱えているため、経済政策としてはトレードオフの関係にあるといえます。

デフレ

過度なインフレと同様、デフレもやっかいな問題を抱えています。

デフレになれば貨幣価値が上がりますので賃金の実質価値が上がります。これは企業が以前より損をすることを意味します。しかし労働組合もあり、労働者は賃下げ要求に対してはなかなか首を縦に振りません。(賃金の下方硬直性)

賃下げが無理なら、企業は人員削減つまりリストラという方法をとらざるを得なくなります。リストラが増えて失業率は上がります。

また、貨幣価値が上がるということは実質的な利子率が上がるということです。例えば借金をしていたとします。貨幣価値が下がっても返すべき借金の額面は変わりませんが、金額そのものの実質的な価値が上がるので、返済額は実質的に上がるということを意味します。

このように、デフレ時の借金は借り手にとって非常に不利に働きます。ですのでデフレ時には、企業は融資を受けて設備投資に回すことをやめ、今ある借金をできるだけ減らす努力をするようになります。こういった動きは、「借り手から貸し手に資産が再分配される」と言い換えることもできます。

デフレスパイラル

デフレスパイラルとは、デフレの悪循環から抜け出せない状態のことをいいます。

物価が下がる=商品の価格が下がります。商品の価格が下がれば企業の売上も下がり、業績は悪化します。企業の業績が悪化すれば、従業員の給与カットもしくはリストラが起きます。賃金低下or失業増加によって、消費者の購買力は減退し消費が減ります。消費が減る、つまり商品が売れなくなると、商品の値下げをせざるを得なくなり・・・

・・・といったことが繰り返しつづきます。