需要と供給が価格によってどう変わっていくのか簡単なグラフを使って分析します。基本的な考え方はとてもシンプルです。
- 需要・・・価格が下がれば消費者の購入意欲が上がる。価格が下がれば需要増加。
- 供給・・・価格が上がれば企業は生産量を増やそうとします。価格が上がれば供給増加。
価格を縦軸、数量を横軸にすると需要と価格の関係は以下のようになります。安くなれば数量(需要)が増えるということを表しただけです。
同様に、供給曲線も追加してみます。価格が上がるほど多く売りたいという動きを示しますから以下のようになります。
需要曲線と供給曲線の交わる点で需要量と供給量が一致し、価格が定まります。
この交点での価格は均衡価格、取引量(数量)は均衡取引量と呼ばれます。
たとえば所得税の増税などが起きると、需要は減少します。このとき、需要曲線が左方にシフトします。均衡点はE→E2へ。財の取引量も価格も下がり、これは経済効率が悪くなることを意味します。
逆に減税などの措置がなされれば、需要曲線は右方にシフトしし、均衡点はE3になります。(曲線は省略)
これと同様に、新たな技術革新などが起き、同コストでそれまでより多くの財が生産できるようになると、供給曲線が右方にシフトします。このとき均衡点はE4となり、低価格のものがたくさん売れるという状況になります。
環境問題など法規制で生産活動が縮小すれば、供給曲線は左方にシフトし、均衡点はE5になります。(曲線は省略)
価格の下方硬直性
ケインズ政策のページでも解説していますが、価格が一定の位置より下がらないことがあります。労働者の賃金がいい例です。
市場において価格は需給を反映して上下するはずなのですが、なんらかの要因によって本来下がるべき価格が下がらないことがあり、物価上昇の一要因とされています。
需要の価格弾力性
価格が変動したことで、どれくらい需要が変化するのかその度合いのことを、価格弾力性といいます。
たとえばニンテンドーDSなどの嗜好品は価格弾力性が高めだと思われます。買おうか迷っている人は、安くなれば買いに走ります。価格弾力性が高いと曲線は緩やかになります。価格に対しての数量の変動幅が大きいことを意味します。
逆に生活必需品など、状況がどう変わっても必要量がそれほど変わらないものは、価格弾力性が低いといえます。安くなったところでたくさんはいらないし、高くなったとしても買わないことにはやっていけないからです。グラフにすると以下のような感じです。価格の変化による需要量の変動幅が小さいため以下のような急勾配の曲線となります。
Pingback: 価格の自動調整作用 | 経済学入門